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咄嗟のためが出来ずに
浮かんだ言葉が漂い続けている
神様じゃないからって言い訳
まぶたの裏に張り付いている
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もしかしての手前の手前の手前にいる
わからない
言葉にしなければ大丈夫
君と私の距離は
ここにある間は
スキマを埋めている二つの弁当箱は
もしかして すら 思いもしない時空に
ぐらぐらのバランスで存在している
ダメだよ
このまま
このままでいよう
もしかして好きって
思っちゃいけないよ
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気はすまない
誰かの口を借りてどれだけ
「大丈夫」
「愛してる」
「好きだよ」
って言っても
気はおさまらない
すまない
すまない気持ち終わらない
元気だよ
元気ないよ
元気だよ
明日は 明日も楽しい
何度でも反芻する
大丈夫なことと大丈夫じゃないこと
終わらないことを反芻する
100回終わったら、次は1000回
どこに行くのかそれだけわからず
終わらないことだけはわかる
なんとか、とかならない
どうにかなってほしい
なんとか
大丈夫 大丈夫 大丈夫 大丈夫
あと96回
終わったら さようなら
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プリクラ機の中でキスをしたい
居酒屋の個室でキスしたい
オイ見ろこっちを見ろ
カメラじゃなく食べ物じゃなく
こっちを見ろ
好きじゃなかったの?
「このゲソ揚げ脂っこいね」
じゃないよ
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抱きしめてくれるの 君だけ
「悪い子なんていないから」
いい子シールをおでこにはった
シール帳に張り替えた
取れないようにうえからセロテープで固定した
「そんなことする子はいないから」
許してくれる
全部許してくれる
「君は悪くないよ」
何かのせい
私じゃないなにかのせい
誰かのせい
「君は悪くないよ」
そう 私
私は大丈夫だった
いい子シール100枚
褒めてね
抱きしめてね
悪くない私のこと
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魂がどこかに行ってしまってもう戻ってこない
そんな気持ちがずっと続いている
前より冷静になった
目の前のこの子の声も遠く遠く聞こえる
自分のつむじが見える
手を繋いでも熱がない
どうやって地面に立っていたのか
思い出せないな
あの日から
あの日から