見てるだけ

創作の人物の独白とかそういう

 

 

どこまで行っても
どこを見ていても

 

他人以上 他人以下のものを
どれほど蓄積してても、
自分でしかない

 

私は自分の型取りをしたかった
裸足でアスファルトに立って歩きたかった


取り繕っているものはパッチワークで
縫い目は粗い 引っ張ったら千切れてほつれる

 

毎日何度も上塗りを繰り返している
不透明なもので覆う
気が済むまで
気が済むまで

正気なふりを思い出した
忘れた
忘れた時に思い出した
私がいない間の私の家 私の部屋
私がいない間のあの子の中の私
2倍にも3倍にも膨れ上がった

頰が晴れる

指先が切れる

 

生きていると皮膚の色が変わる

皮膚が痛いと言う

言葉 他人ありきだった

 

人 人 人人人 人 

 

大事な人の大事なものは人じゃない

 

千々になった皮膚をつないだ
それを着て今日も出かける